三次の家
用途：戸建住宅
工種：新築
構造：木造軸組構法
地域：広島県三次市
田を造成して新たに建築した戸建住宅。
広島県北部、木材の産地でもある三次の地域性を活かし、地元産の杉やヒノキを用いて設計した木の家である。
三次は盆地特有の気候により、夏の暑さと冬の寒さが厳しく、年間を通じた温熱環境への配慮が不可欠となる。
冬季には床下に設置したエアコンの暖気を、間仕切りのない基礎下空間に蓄熱し、建物全体をじんわりと暖める仕組みとした。
夏季には別途導入した全館空調を用いて、家全体を効率的に冷却する。
断熱材には羊毛断熱材を採用し、塗装仕上げの天井には杉板を使用。
外壁には透湿性と耐久性を兼ね備えた「そとん壁」を選定し、室内から外壁に至るまでの通気・透湿性能を確保している。
さらに気密性も十分に確保されており、実測においても熱損失の少ない、高断熱・高気密な住環境が実現している。
周囲の開けた立地条件を活かし、天井際には木製のガラス窓を設けることで、外部からの視線を気にすることなく周囲の風景を室内に取り込む計画としている。
自然とのつながりを感じながらも、快適性と性能を両立させた住宅である。
