隅の浜の家
用途:戸建住宅
工種:新築
構造:木造軸組構法
地域:広島県広島市
木造2階建の住宅。敷地は、下の住宅地から緩やかに上がった小高い丘の中腹に位置している。
北側には街並みが一望できる開けた景色が広がり、西側には同一敷地内に小さな斜面の山を有する。
南側は階段状の土地であるため、十分な採光は得にくいものの、それを補って余りある魅力的な敷地条件となっている。
北側の開口部は、眼下に広がる風景を切り取るように設計。
西側には大きな窓を設け、西日を受けながら、人目を気にすることなく庭の風景を楽しむことができる。
敷地内の山には、山木を中心に植栽と照明を配し、夜間も風景の一部として楽しめるよう計画している。
建物と山をつなぐように、敷地の高低差を活かしたプライベートなデッキを設けた。
周囲の視線を遮ることができるため、外部空間でありながら高いプライバシー性を確保している。
室内の仕上げには、経年変化を楽しめる素材を採用。
床にはスギの無垢フローリング、壁には塗装仕上げを用い、自然素材の柔らかさを空間に取り込んでいる。
対照的に外装は、耐久性に優れたガルバリウム鋼板とし、内部の温かみとバランスを取る構成とした。
家具や建具はすべて、この住宅のために製作したオリジナル。
空間に一体感をもたらし、住まい手の暮らしに寄り添う設えとなっている。